空港内のクリニックで働く看護師の役割・仕事内容

空港内のクリニックで働く看護師の役割・仕事内容

町に溢れているクリニックにはいろいろな種類があります。健診をメインにするクリニック、産婦人科クリニック、消化器系で内視鏡検査を主に行うクリニックなど千差万別です。では、空港内にあるクリニックとはどのようなものなのでしょうか。また、そこで働く看護師の仕事内容や役割とはどういうものなのでしょうか。

 

空港内クリニック勤務の看護師の対象は空港利用者だけではない

患者(空港関係者や乗客など)の様々な疾患に対応していくのは、通常のクリニックと同じです。ある調査によると、空港内クリニックを利用する患者の内訳は、比較的軽い症状の患者が6割、緊急的な手術を要する患者が3割程度となっています。ですから、体調の不調・異変などを訴える患者への看護師の対応は、通常のクリニックの外来業務と何ら変わることはありません。ただ、空港内クリニックでは空港利用者のみならず、近隣の住民が利用するケースもあるようです。比較的遅い時間まで診療をしていますので、夜間時の体調不良でも住民は利用しやすいわけですね。例えば、東邦大学が管理する羽田空港国際線旅客ターミナルのクリニックは9:00〜23:00まで運営されています。

 

空港内クリニック勤務の看護師 その特殊な仕事

クリニックを設置している空港は、大概主要空港になります。日本の主要空港といえば、関西国際空港や成田国際空港のように様々な外国籍の方々も数多く利用しています。このような空港のクリニックの特殊な仕事として3点ほど挙げておきましょう。

 

・航空身体検査
パイロット・客室乗務員・航空機関士などを対象にした検査になりますが、彼らは、眼科・耳鼻科・内科・精神科の身体検査を半年に一度受けることが義務付けられています。パイロットなどはこの検査でOKがでないと、飛行機の操縦桿を握ることができません。このような航空身体検査に関わるのも空港内クリニック勤務の看護師の仕事の一つになっています。

 

・薬物不法所持者発見の手伝い
国際空港では、薬物を所持している乗客を厳重に監視していますが、ここにクリニックも助力していきます。それは、腹部レントゲン撮影によって、体内に隠された薬物を発見することなのですね。こういった検査を通してクリニックは空港に協力することになります。通常のクリニック勤務の看護師では、まず考えられない業務になるのではないでしょうか。

 

・航空機事故における緊急的な措置
航空機事故は絶対起こってほしくないものですが、仮に航空記事故が起こってしまった場合、空港内クリニックは重要な役割を果たさねばなりません。重傷者軽症者の仕分け、治療順位の優先付け、重篤な患者の病院への搬送などを的確に行っていく必要があります。空港内クリニック勤務の看護師は、医師と共に常日頃から勉強会・研修会に参加して、万が一に備えているそうですよ。このような航空機事故への備え・対応も空港のクリニックならではのものでしょう。